特別講演Ⅱ

特別講演Ⅱ

大城 和恵 先生(北海道⼤野記念病院)

山の魅力と山岳医療

 私は、医師になってから、休暇を利用して、北アルプス、北海道の冬山、ロッキー山脈、キリマンジャロ、ヒマラヤなど山旅を繰り返していました。私が山岳診療を志そうと思ったのは、2度目のヒマラヤのトレッキングに出かけた際、重症高山病の登山者に遭遇したことがきっかけでした。私はそれまでGeneral physician を目指し、それぞれの分野のスペシャリストのもとで学んでいました。そんな中でのヒマラヤの経験は、目指してきたGPを好きな山の領域で体現化できるという、エキサイティングな出来事となりました。 
山岳医1年生の私を育ててくださったのは、登山者、遠征隊、救助隊の皆さんでした。
 
 自ら体験してみないとわからない、という好奇心から、冬のヨーロッパでクライミングしたり、世界一高い山に登ったり、公募隊に参加したり、危ない経験や痛い思いをしながらも山で過ごすことは、とても充足する体験でした。

 山岳医療の活躍の場所を切り拓き、登山外来、海外遠征の帯同、救助活動への医療支援、登山者の自助能力の支援、山岳診療所、研究活動と幅広く実践してきました。

 しかし、命を落とした登山者もいます。

 全ての経験こそ、私が医師として、科学を追求する姿勢につながっています。その経験をエピソードを交えながら、お話させていただきます。

略歴

  • 医学博士
  • Leicester大学山岳医療修士
  • 英国国際山岳医
  • Fellow of Academy of Wilderness Medicine

【役職】

  • 国際登山医学会 Vice-president
  • 山岳医療救助機構 代表

職歴】

  • 北海道大野記念病院 循環器科、山岳登山外来
  • 札幌徳洲会病院 救急科
  • 日本大学医学部兼任講師

山行歴 】 高所関連のみ記載

  • 2010年 北米最高峰デナリ(6194m)山頂よりスキー滑降
  • 2013年 三浦雄一郎氏エベレスト世界最高齢登頂遠征チームドクター
  • 2013年 日本TV「イッテQ登山部」チームドクターとしてマナスル(標高世界第8位:8163m)登頂
  • 2018年5月 日本人女性医師として初のエベレスト(8848m)登山に成功
  • 2019年1月 三浦雄一郎氏86歳アコンカグア遠征チームドクター. 6000mでドクターストップ